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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

日産 キックス 2020 (C 60点)

カーデザイン

スニーカーを後から高級にしようしたらスニーカーらしく なくなった

 

■まとめ (C 合計60点/100点満点)

  日産 キックス (2代目)は4WDを設定しないオンロード向けのクロスオーバーSUV。もともとブラジル等に向けて発売された海外モデルを日本向けにアレンジ。海外モデルはブラジルの裏通りを気軽に走れるような「スニーカー」がテーマ。日本モデルは上質感を付け加えた「高級スニーカー」。

  海外モデルはボディの下半身にブラックの樹脂を多用したカジュアルなデザイン。それに対して日本モデルは高級感を出すためフェイスリフト。LEDによる薄型ヘッドランプや凝ったパターンのグリル等でシャープで上品な顔つきになった。さらに下半身までメッキパーツやボディ同色パーツ等を追加したのは やりすぎ。SUVらしさを阻害している。ルーフレールみたいなメッキパーツも機能的でない。例えば、高級スニーカーもアッパー側にはレザーを使っても、地面に接するソール側には使わないものだ。

  キックスの狙いはスペース、操縦性、乗り心地、上質感等。コンパクトSUVというカテゴリーにしては欲張りな要求。そのためデザインする上で狙いを絞れず、ウリとなる特徴を上手く表現できていない様子。クーペのような狙いが明確な日産ジュークに対して、キックスはスペースとスポーティさのバランスをとろうとしたためか、結果ハッチバックみたいなプロポーション。(日産ノートのリア オーバーハングを伸ばして、車高とボンネットを ちょっと高くしたイメージ)

  最近SUVというカテゴリーは競合が激しく、各車のデザインは特長を強調してきている。例えば、ダイハツ ロッキーはスペース効率の良さ、トヨタ RAV4はタフな走行性、マツダ CX-30はクーペのようなスタイリッシュさ。それらの個性的なSUVに比べると、キックスは埋もれがちにならないか心配だ。 

■主な比較対象車

・日産 ジューク (同門車)

日産 ノート (同門車)

ダイハツ ロッキー (競合車)

トヨタ ハリアー(参考車)

トヨタ RAV4 (参考車)

マツダ CX-30 (競合車)

■キャラクター

・ポジション

  2020年 新発売のSUV、日産 キックス (2代目)は先代と全く別の新規モデル。先代は軽SUV、三菱パジェロ ミニのOEMだった。実質的な先代は日産ジューク(初代)になるかもしれない。車格的には日産ノートを1周り大きくした位置付け。

  新型は4WDが設定されず、都会に住む人をターゲットとしたクロスオーバーということらしい。

  2016年にブラジル等に向けて発売された海外モデルを日本向けにアレンジ。スチールボディは変更しておらず、言うならばマイナーチェンジ。

・用途

  クーペのようなデザイン重視のジュークと比べると実用性 重視に変わっている。「大人4人がくつろげる上質な空間」「ダントツに積めるラゲッジ」「運転が楽しくなる」「ロングドライブも快適」がキーワード。これらの用途からすると、SUVよりもステーションワゴンの方が向いている。SUVとしての狙いが明確でない。

・ユーザー

  20代~30代の子供がいない人がターゲット。「今までよりもクルマをアップデートしたい」「運転を楽しみたい」「仲間と一緒に出かけたい」というニーズがあるらしい。

・デザイン要求

  つまりコンパクトSUVというカテゴリーを前提に、スペース、操縦性、乗り心地等を表現し、さらに上質感も表すデザインが求められている。かなり欲張りな要求だ。デザインの狙いが定めにくい。

■コンセプト (25点/30点満点)

カーデザイン

・テーマ

  2016年の海外モデルはブラジルの裏通りで走ることも考えて、「スニーカー」のような気楽さや運動性能の高さがテーマ。

  日本モデルは上質なプレミアム感を付加価値にした「高価なスニーカー」。より具体的には若々しい躍動感あふれるダイナミックさ と先進的かつ上質なプレミアム表現だそうだ。

・アイデア、モチーフ

  国内モデルはフロントフェイスを見直して、ランプやグリルで上質感を表現するアイデア。ランプは全車LEDによるハイテク感。グリルは日本の伝統工芸「組木」をモチーフに手の込んだパターンによる高級感。日本の風景には日本のモチーフが合うという考えらしい。

  一方、サイドボディはカジュアルさを表現した海外モデルのから大きな変更がないので、ボディ全体での整合性としては微妙。

・スタイル

  日産のデザインスタイルの考え方をキックスの日本モデルから変えたそうだ。以前は決められたルールに沿って一律に表現していたが、キックス以降はターゲットによって ふさわしい表現に変えられる。幅広いラインナップを展開する日産でデザインの自由度が増すのは好ましい。

  日本モデルではV字型が2重になった「ダブルVモーショングリル」で力強さと上質感を表現したらしい。確かに海外モデルは昔の小さなVモーショングリルの「オチョボ口」なので、ワイド感や上質感がイマイチ。モデルチェンジの効果は大きい。

・パッケージング

  日産ノートと比較して、キックスは1周り大きなサイズのためカーゴスペースが広いそうだ。しかしキックスの居住空間はノートから広がっていない。室内長はノートの方が長く、室内幅はキックスの方が広く、室内高は ほぼ同等。大人4人が くつろげる という要求に対して室内長を縮めるのは合っていない。代わりにSUVらしく室内高を上げるとか工夫の仕方が あったのでは。(-5点)

■全体デザイン (15点/20点満点)

カーデザイン

プロポーション

  ルーフの長さはノートと ほとんど同じ。ノートよりもリアオーバーハングが伸びた分は主にリアウインドウの傾斜に なっている。ルーフラインも後ろ下がりの傾斜。サイドウィンドウの傾斜(タンブル)も大きめ。スペースが限られているので、大人4人がくつろげるとか、ダントツに詰める という要求には合っていない。Cピラーが太くて窓の面積が狭いので、見た目でもカーゴスペースが狭いように見える。例えば、ダイハツ ロッキーは長めのルーフにリア クォーターウィンドウでカーゴスペースの広さを表現している。(-5点)

  ボンネットは高めの位置で車格感。ボンネットの傾斜はベルトラインの傾斜へ連続して伸びやかさを表現。

  アプローチアングル等への配慮は特に見られないが、オフロード走行が狙いではないので特に問題にならない。

・フォルム

  ボンネットからベルトラインにかけてのウェッジシェイプと若干後ろ下がりのルーフラインでスポーティなダイナミック感。

  サイドウィンドウのタンブルを大きくした おかげで、フェンダーフレアが大きく見えるのもスポーティさに効果的。

  ボディの前半はエッジが目立ち、後半は なだらか。メリハリと見るか、ミスマッチと見るか微妙。

■フロント (15点/20点満点)

カーデザイン

・ランプ

  ヘッドランプの外形状はダブルVモーショングリルから連続し、さらにフェンダーへ 流れていくようなツリ目形状。

  日本モデルは薄型ヘッドランプになりシャープさを増した。全車LEDにして、海外モデルの半分くらいの薄型になったそうだ。

・グリル

  アッパーグリルはダブルVモーショングリルの2重のメッキラインに はさまれた逆台形。グリルの中には組木をモチーフにした奥行のあるパターン。パターンが目立ち過ぎないようグラデーションも あって、上質感に効果的。

・バンパー

  アッパーグリルの周りにダブルVモーショングリルの表現でブラックの太いラインと細いメッキライン。海外モデルの太いメッキライン1本より上品だし、グリルやランプとの形状とも違和感が少ない。

  フロント中央はグリルから下までブラックだが、ブラックの光沢のメリハリやメッキライン、さらにボディ同色部分が両側からグリルを支えているように見えるため、単なる「アゴなし」には なっていない。

  しかしバンパー下端にメッキモールを置いているのはSUVらしくない。サイドボディのプロテクターともミスマッチ。例えば、オンロード寄りのSUVであるトヨタ ハリアーもバンパーにメッキモールを付けているが、下端には置いていない。(-5点)

■サイド (10点/20点満点)

カーデザイン

・ルーフ

  ルーフレールっぽい太いメッキモールが付いている。機能的でない中途半端。上質感を狙うなら機能的なルーフレールにすべきでは。(-5点)

フェンダー、ドア

  サイドボディは何本ものラインでウェッジシェイプによるダイナミック感を強調。最近のラインを減らすトレンドからすると、ちょっと古さを感じる。

  フェンダーフレアはフロント側が角ばっていて、リア側が なだらか。前後のマッチングは微妙。

  フェンダーアーチとサイドシルにはブラックのプロテクター。サイドシルにメッキモールが付いているが、下端でないので まだ許せる。

・ウィンドウ周り

  ピラーは全てブラックアウトしてワイド感。

  ベルトラインは後ろ上がりで、リア側のサイドウィンドウ途中から大きくキックアップ。ダイナミックな表現だが、斜め後方視界はイマイチ。(-5点)

■リア (-5点/10点満点)

カーデザイン

・ランプ

  リアランプの外形状はハッチにも、サイドボディにも、外側にも張り出していて主張が強い。各辺は周囲のラインに沿っているが、全体は まとまった形に見えず、上質感としては微妙。しかしスチールボディを変えられなかったので仕方ないか。

・バンパー

  日本モデルは上質感のためバンパーの下側をボディ同色にした。周囲のブラックから色が飛び出しているので、不自然な「出っ尻」が強調されてしまった。例えば、ボディ同色は もっと狭い範囲にすれば目立ち過ぎなかったのに。また下までボディ同色だとフロントやサイドのブラックとの整合性がないし、SUVらしくない。(-5点)

・ハッチ

  ハッチの開口部はリアランプの所で いったん狭くなり、その下で広げて六角形のように見せている。デザイナーは面白いと思うかも知れないが、ユーザーにしてみれば開口部の中央を狭めて欲しくない。むしろ1番広くしてほしい所だ。(-5点)

・ウィンドウ周り

  ウェッジシェイプのためにハッチの面のピークが高い位置。そのため窓が小さくて、後方視界がイマイチ。しかしバックミラーが電子ミラーならば後方視界は小さくても良いのかも知れない。それでも まだまだ目視したい人は多いはず。(-5点)

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/kicks/exterior.html

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