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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

マツダ CX-30 2019 (B 75点)

カーデザイン

ボディの面の美しさに自信があるなら分厚いプロテクターで「上げ底」しなくても

 

■まとめ (B 合計75点/100点満点)

  マツダ CX-30は新しいファミリーカーが狙いだったらしい。5ドアハッチバックマツダ 3 ファストバックはパーソナルユースに振ったので、代わりになる受け皿が必要だ。それでも CX-30は「クーペライク」にしたのでキャビンのスペースは大したことない。SUVらしさを追求すればスペースも確保できるのに。FRクーペのコンセプトカーをビジョンとする最近のマツダSUVのファミリーカーでもクーペしか考えられないのか。

  デザインのテーマはクーペの伸びやかさと SUVの力強さの両立。そのアイデアがボディの下側を取り巻いた分厚いプロテクター。上半身のSUVはクーペのように低く見せ、下半身はクロスカントリー車のように力強く見せようとした。

  しかし なだらかな上半身と幾何学的な下半身が別々のデザインスタイルなのでミスマッチ。分厚いプロテクターは取って付けた「上げ底」みたいで不自然。背が高いプロポーションを低く見せかけて、「あざとい」と思われそうだ。

  スチールボディの面はマツダのデザイン スタイル「魂動」の進化版で、映り込む景色の変化を見せて面白い。せっかくの見所なので、もっとプロテクターを小さくして、広い面積で鷹揚に見せた方が効果的では。

  最近はトヨタ ハリアーなどが始めた背の高いSUVのクーペも多くのユーザーに受け入れられている。CX-30もムリに背の低いクーペっぽく見せる必要はなかったのではないだろうか。
■主な比較対象車

マツダ 3 (同門車)

マツダ CX-3 (同門車)

マツダ CX-5 (同門車)

トヨタ ハリアー (参考車)

■キャラクター

・ポジション

  2019年に新発売されたSUVマツダ CX-30はマツダの新しいポジション。背が高いマツダ CX-5、長いマツダ CX-4、短いマツダ CX-3、低いマツダ 3に囲まれて、ど真ん中のポジション。王道を行くのには向いているが、あえて王道を外すとすると特徴は出しにくいかも。

・用途、ユーザー

  SUVぽさよりも新しいファミリーカーを狙ったらしい。御蔭でマツダ 3 ファストバックがパーソナルユースに振ることが出来た。言うならば、これが新しいマツダの5ドアハッチバックということか。

・デザイン要求

   つまりファミリーカーとしてのスペースを確保したうえで、ポジションを取り囲む車たちに埋もれないデザインが必要だ。普通ならスペースを確保しやすいSUVぽさを追求するところだろうが、SUVぽさを狙わないなら どうするかが問題だ。

■コンセプト (25点/30点満点)

カーデザイン

・テーマ、アイデア

   「Sleek and Bold」がキーワード。伸びやかなクーペの美しさと大胆な SUVの力強さという相反する2つの表情を併せ持つ だそうだ。あえて自己矛盾しやすいテーマ選定。スペースと両立しやすいSUVらしさで統一できなかったのか。

  そのためのアイデアがボディの下半身を分厚いプロテクター(クラッディング)で覆うこと。スチールボディの上半身をクーペのように低く伸びやか(スリーク)に見せ、下半身をSUVらしく強く太く(ボールド)見せようとした。

  その結果、上半身と下半身がバラバラのデザインスタイルになってしまい、ミスマッチになってしまった。(-5点)

・モチーフ

  書道の「トメ」と「ハライ」がモチーフ。フロントフェンダーに溜めた力をリヤタイヤに向かって放射し、前進感を表現するのだそうだ。メリハリを効かすのは表現にとって重要だ。

・スタイル

  マツダのデザインスタイルである「魂動」の表現方法は映り込む景色の変化を見せる「移ろい」を重視。マツダ 3に続く新世代の表現だ。

  その他のデザインスタイルである「5ポイント グリル」やフロントランプ周りの「シグネチャー ウイング」も しっかり適用。

・パッケージング

  使い勝手からサイズを決めている。全長はヨーロッパ車Cセグメントと同等(縦列駐車で入る)、全高は立体駐車場に入る高さ。このサイズなら普通にファミリーカーらしいプロポーションにすればキャビンのスペースは十分確保できるはずだが、結果はそうなっていない。

■全体デザイン (10点/20点満点)

カーデザイン

プロポーション

  クーペらしさとキャビン内寸の両立を考えた工夫は見られる。ルーフのピークを なるべく後ろにしたり、リアのピークを なるべく高くしたり。しかしグリーンハウスの幅は狭く、窓は小さめで前後の傾斜が強く、本来のポジションであるファミリーカーらしい広さは見られない。小さなCX-3に比べて広くなったと言われても…… (-5点)

・フォルム

  上半身のスチールボディはクーペらしい有機的な面、下半身のプロテクターはクロスカントリー車のような幾何学的な面で、別々の車が重なっているようなミスマッチ。例えば、プロテクターを もっと小さくして、CX-5のように上半身と なじむ曲面にすれば、そこまでの違和感は なかっただろうに。(-5点)

■フロント (20点/20点満点)

カーデザイン

・ランプ

  マツダ 3と同様の奥目で切れ長のランプ。ボンネットやグリルの面から引っ込んだ奥目は空力的に不利なので、ランプの下にあるシグネチャーウィングの段差で空気の流れをコントロールしているそうだ。プラマイゼロか。

・グリル

  アッパーグリルは「5ポイント グリル」だが、実際は より複雑な7角形。ロアグリルはプロテクターのすき間という感じで さりげなく、SUVらしい力強さは感じない。ナンバープレートがアッパーグリルの中に入り込まないのは良かった。

・バンパー

  ランプ周りのシグネチャーウィングは立体的な形状で印象的。しかしボンネット先端角が宙に浮いていて、チリが合わなく見えて、イマイチ上質感がない(-5点)

  バンパーには特許取得のダブルエアカーテンを搭載。上下2段で取り込んだ空気をフロントフェンダーの内側から排出することで、ホイールハウスで生じる乱れを抑えるそうだ。SUVでも空力的な配慮は さすがだ。(+5点)

■サイド (15点/20点満点)

カーデザイン

フェンダー、ドア

  面の凹凸で「移ろい」を表現。凹凸の組み合わせをマツダ 3と変えた。映り込んだ景色がS字のように見えるのは面白い。

  リアタイヤへ流れを集中させるのは印象的だが、代わりに強度を求められるフロントドア中央を大きく凹ませるのは見た目に不安感が出そうで微妙。オブジェではなく安全性が重要な自動車だから。

・ウィンドウ周り

  子供も乗るファミリーカーにしては窓が小さめで閉塞感。Aピラーが顔に迫っているのが気になるし、リア クォーターウィンドウは小さいので斜め後方視界はイマイチ。(-5点)

■リア (5点/10点満点)

カーデザイン

・ランプ

  マツダ車で ありがちな外側が厚めの横長形状。ボディの外へ張り出してワイド感。これは空力的にも効果があるらしい。

・バンパー

  分厚いプロテクターに小さなレリーフ。意味があるのか疑問。

・ハッチ

  ルーフスポイラーをブラックアウトしてルーフを短く見せている。上手いと見るか、わざとらしいと見るか。

  ハッチの面のピークが高いため、腰高感が気になる。クーペライクでキャビンのスペースを稼ぐためか。

・ウィンドウ周り

   ハッチのピークの高さによる影響で窓が小さく、後方視界がイマイチ。(-5点)

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

 https://www.mazda.co.jp/cars/cx-30/design/

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