ロータリー スポーツ デザインを継承したリファイン案を提案
■まとめ
ロータリー エンジン搭載が発表されたマツダ MX-30 は デザイン レビューが辛口のD評価だった。
それはマツダ初の電気自動車(EV)として新しい価値を作るという目的で マツダの得意なデザイン スタイルを封印してしまったため。しかし新しい価値をゼロから作るのは簡単ではない。レトロを部分的に取り込んだうえに新奇性を求めて中途半端になってしまった。
だから「未来のため過去に学ぶ」という精神の「教訓」(Lessons & Learned)としてリファイン案を提案する。
リファイン案のテーマは「ロータリー スポーツ デザインの継承」。新奇性よりも 歴史の中で良かった点を継承して欲しい。
モチーフは 「マツダ RX-8」。ロータリーエンジンが搭載される観音開きなら これしかないだろう。それに合わせてカテゴリーもSUVからクロスオーバーへ変更。
リファイン案の主なポイントは以下の通り。
①シルエット
クーペ ルックのために観音開きドアまで採用したのに ルーフが なだらかでない。
⇒ノーズ先端を少し下げ、フロントウィンドウを少し傾け、ルーフラインを丸めて流線型のシルエットへ。
(ルーフラインを丸めてもRX-8なみには後席スペースが ある)
②フロントフェイス
今までのマツダ顔から変えるため グリルは五角形だかハッキリしないカタチだったり、ランプは やたら奥目だったり。
⇒RX-8モチーフのランプ、マツダのデザイン スタイル「ファイブ・ポイント・グリル」でマツダらしい力強いフロント フェイスへ。
③サイドボディ
「自然体」のリラックスを要求されているにオフローダーのような分厚いプロテクター(クラッディング)や角形フェンダーアーチ。
⇒クロスオーバーとして プロテクターをスリム化し、フェンダーアーチも普通の丸形へ。
■レビューで減点された主な要因は?
・テーマ、スタイル
「気持ち良いという心」を軸にしたが、何が気持ち良いかは人によって違う。価値観を関係者で統一しきれず、チグハグになってしまった。
その上 マツダ御得意の「魂動」スタイルを封印し、自縄自縛。
・プロポーション
クーペ ルックにするため観音開きドアまで採用。ルーフラインは前席の後ろから なだらかに下がっているように見えるが、ルーフの中央部は段差が付いて少し高くなっていて なだらかでない。
・フォルム
サイドボディは 上半身が なだらかなシンプルな面、下半身が カクカクしたフェンダーフレアが 少し張り出しただけ。上下の統一感やSUVとしての力強さが微妙。
・ランプ
親しみやすさ等のためレトロな丸目にしたが、かなり「奥目」に置かれていて 親しみやすくない。
・グリル
「ファイブ・ポイント・グリル」の五角形を平たく つぶして、角を丸めたような 曖昧な形状。
・フェンダー、ドア
フェンダーアーチの周りには分厚い角丸四角のプロテクター(クラッディング)。ドア等にもラインの入った分厚いプロテクター。デザイン要求のリラックスに合わない。
■リファイン案の提案
・カテゴリー
リファイン案のカテゴリーは SUVではなく、オンロード寄りのクロスオーバー。SUVは まさにマツダの主力として展開中なので、ここでは差別化。
・テーマ、モチーフ
リファイン案のテーマは「ロータリー スポーツ デザインの継承」。当時「新しいスポーツカーの形」を創ろうとした精神は今まさに新しいカテゴリーのクルマを創ろうとしているマツダでも引き継いでほしい。
モチーフは マツダ RX-8。そのデザインのエッセンスは マツダ RX-7にも通じる。
・パッケージング
乗員のスペースはRX-8なみと割り切り。
・プロポーション
RX-8モチーフで見直し。
ノーズ先端を少し下げ、フロントウィンドウを少し傾け、ルーフラインを丸めて流線型のシルエットへ。
グリーンハウスの後ろ側を絞ってキャノピーっぽいキャビンへ。
・フォルム
RX-8をモチーフにして サイドボディはフラットなラインで引き締め、フェンダーはフェンダーアーチの強いラインと大きなフェンダーフレアの張り出しで迫力を。
・ランプ
RX-8 モチーフのランプ形状。なじみのあるシャープな迫力。
・グリル
マツダらしいファイブ・ポイント・グリルをSUVより薄味で適用。
・フェンダー、ドア
プロテクターをスリム化し、ラインなくしてクリーンに。
・ウィンドウ周り
RX-8 モチーフの特徴あるDピラーとリアウィンドウのカタチでアイコン化。
■注記
※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価
※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと
※画像の出典
https://www.mazda.co.jp/cars/mx-30/feature/
https://www.mazda.co.jp/cars/mx-30/grade/
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