各モデルのモチーフを住み分けさせて シルエットの見直し(案)を提案
■なんだかタントに似ているクルマが多い
日本でベストセラーのカテゴリーは 軽スーパーハイトワゴン。先駆けはダイハツ タント。
他社も追随して盛り上がっているけれど、 前回の記事でも指摘した通り、最近の他社モデルはサイド シルエットまでタントに似通っていて まぎらわしい。
具体的には Dピラーをボディ同色でキックアップ、他のピラーをブラックアウトがタントと同じ。(日産ルークス等はDピラーの上端がブラックなので少し違うが)
軽自動車のサイズ制約の中で目いっぱいスペースを取るのでプロポーションが似るのは仕方ないが、シルエットは個性を出せないものだろうか。
■モチーフを住み分けさせてシルエットの見直し(案)を提案
各モデルで幾何学形状のモチーフを住み分けさせた シルエットの見直し(案)を提案する。
①ダイハツ タント (4代目)
・Dピラーだけボディ同色なのは初代からの伝統。
・モチーフは「長円(オーバル)」。初代のランプは長円でピラー付根も丸かった。
・シルエットは Dピラーがやや前傾くらい大きく付け目を楕円弧で丸めた。そしてルーフラインの両端やノーズを なだらかにテーパーさせた。
②ホンダ N-BOX (3代目)
・Dピラーだけボディ同色なのは初代から。初代からタントに寄せているが、当時は一応Dピラーの大きいキップアップで差別化していた。
・モチーフは「面取り四角」。初代もBOXらしく四角いが、角はとれていた。
・シルエットは Dピラーを太くしてシャープな角で大きくキップアップ。そしてルーフラインの両端やノーズは面取りした。
③スズキ スペーシア (3代目)
・Dピラーだけボディ同色なのは現行から。(グレードによっては違う) 初代は全てのピラーがブラックアウト(フローティング ルーフ)。先代はAピラーとBピラーがブラックアウト。各世代みんな違い、統一感がない。
・モチーフは「角丸四角(R面取り)」。先代のランプやサイド ウィンドウは角丸四角だった。
・シルエットは Dピラーの角を丸め、さらに差別化のためAピラーもボディ同色に。そしてルーフラインの両端やノーズを丸めた。
ピラーのボディ同色を先代や現行と違うA, Dピラーにしたのは 中のスペースを広く見せるため。そしてノーズからルーフを経由してリアエンドまでのラインを きれいに流すため。
④ニッサン ルークス (3代目)
・Dピラーの大部分がボディ同色なのは現行から。初代と先代は全てのピラーがブラックアウトしていた(フローティング ルーフ)。現行もDピラーの一部がブラックアウトなのでフローティング ルーフは続いている。
・モチーフは「菱形(ダイヤモンド)」。先代のウェストラインは中央がダイヤモンドぽく凹んだ形状だった。
・シルエットは先代同様 Dピラーをブラックアウトして初代からのフローティング ルーフをハッキリと。そしてルーフからリア ウィンドウにかけたラインやノーズを尖らせた。
■まとめ
最近の軽スーパーハイトワゴンのシルエットは後出しジャンケンでアイコのような状況。こんな区別がつきにくいカーデザインはクルマの白物家電化を加速するかもしれない。
個性を出しにくいカテゴリーではあるが、モチーフの工夫等により差別化・住み分けして欲しいものだ。
■注記
※このブログのレビューは あくまで個人的意見
※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと
※画像の出典