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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

ダイハツ タント 2019 (C 60点)

タント

イオニアのモデルチェンジは現チャンプに どう対抗するか楽しみだったのだが……

■まとめ (C 合計60点/100点満点)

  軽スーパーハイトワゴンのパイオニアであるダイハツ タントのフルモデルチェンジ(4代目)は現在ベストセラーのホンダ N -BOXに どうやって対抗するか楽しみにしていた。

  しかし結果は期待外れ。ダイハツならば もっと出来るはずだ。自動車業界活性化のためにも頑張って熾烈な1位争いを繰り広げて欲しい。

  「ソフトヘルメット」というモチーフがタントのキャラクターに合わないし、必然性ない凹みがあったりして、チープに なってしまった。何もない空白が怖いのだろうか。

「空白恐怖症」の克服が次の課題かも。

  姉妹車のタント カスタムの方は もっと凝ったデザインなので、それをタントにして、タント カスタムを さらにドレスアップした方が良かったのでは。

タント

タント カスタム

■主な比較対象車

ダイハツ タント(先代)

ダイハツ タント カスタム (姉妹車)

ダイハツ ムーヴ キャンバス (同門車)

ダイハツ ハイゼット カーゴ (同門車)

ホンダ N-BOX (競合車)

■キャラクター

・ポジション

  2019年度国内販売台数2位のタントのフルモデルチェンジ。軽スーパーハイトワゴンという新しい車のカテゴリーを切り拓き、かつて国内新車販売台数1位を獲得したタントの4代目。

・ユーザー

  ユーザーは従来からの子育てファミリー層が主だが、新規にシルバー層も対象に広げた。

・デザイン要求

  つまり既に確立したブランドイメージに応えつつ、より幅広い層の人々に受け入れられるデザインが求められる。

■コンセプト (20点/30点満点)

タント

・テーマ

  「素の魅力」がキーワード。「素」というのはタントらしい。初代タントは革新的に大きいキャビンを端的に表現していて面白かった。ただ「素」の意味を上手く具体化できないと弱い。

・モチーフ

  モチーフは「ソフトヘルメット」。タフなSUVならピッタリだろうが、なぜタントに選んだのか疑問。要素の多いソフトヘルメットは「素」に合わないし、その丸さはウルトラハイトワゴンというスペース重視のカテゴリーに向かない。デザイン全体に悪影響だ。(-10点)

  ダイハツの他車は もっと車のキャラクターに合ったモチーフを選んでいる。例えば、ムーヴ キャンバスは「陶器」をモチーフにして質感の高いデザインだ。

■全体デザイン (15点/20点満点)

カーデザイン

プロポーション

  先代より少しベルトラインを高くしたが、相変わらずグリーンハウスが大きめ。視界が広く、車内が明るく、スペース重視に見えてタントらしい。

・フォルム

  ヘルメットの丸さの表現でボンネットの角を丸めた。リア側の四角さとチグハグ感。少し角ばったパンパーとの段差も目立つので競合車に比べてノーズが貧弱に見える。(-5点)

  例えば、タント カスタムはノーズの丸さが目立たないのでチグハグや貧弱に見えない。

カラーリング

  最近流行りのツートーンカラーが選べないのはタント カスタムとの差別化のためだろうか。

■フロント (5点/20点満点)

タント

・ランプ

  ヘルメットのバイザーの表現でランプ周りを黒く縁取り、ランプ間に黒いガーニッシュを配置。泥棒のマスクみたいで万人受けし難い。(-5点)

・グリル

  アイデアスケッチはメッシュのグリルだったが、デザイン結果は粗いグリッド。ラジエーターが よく見えてチープ感。メッシュがなくなった時点で何かアイデアを出すべきでは。(-5点)

・バンパー

  アイデアスケッチのメッシュ グリルの名残が角丸四角のレリーフで残っている。商用車のダイハツ ハイゼットカーゴと同様のデザインで、乗用車としてはチープ感。(-5点)

・ウィンドウ周り

  ヘルメットの丸さの表現でAピラーを内側にズラしている。なるべく視界を悪化させないように工夫しているが微妙。

■サイド (15点/20点満点)

タント

フェンダー、ドア

  ヘルメットの凹凸の表現でドアの途中から唐突に始まってリアまで続く大きな凹面のレリーフ。まるでボディの途中から上下に分断して見えて、ボディの一体感や安定感を損なっている。形状も車の機能と関連ない幾何学的なのでオモチャっぽい。せっかくピラーからフェンダーへ続く滑らかな曲面を造形したのに もったいない。(-5点)

・ウィンドウ周り

  先代まで同様にA、B、Cピラーをブラックアウト。グラスエリアをスッキリ、ワイドに見せてタントらしい。

  Dピラーの角の上側がピン角、下側が角丸。これはホンダ N-BOX(初代)に似ているが、N-BOX(2代目)が先代タントに似せてきているので御互い様。

■リア (5点/10点満点)

タント

・ランプ

  外形の下側の角を尖らせてサイドボディに食い込ませている。尖った形状がフロントランプとチグハグだし、食い込んだ角が鋭いのでボディの一体感や安定感を損なうマイナス効果の方が大きい。(-5点)

・バンパー、ハッチ

  角丸四角のレリーフでフロントバンパーと そろえているが、それほど必然性は感じない。ダイハツは「空白」が怖いのだろうか。

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

 https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/03_exterior.htm

 https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/09_special_01.htm

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