ミニバンの顔の派手さランキングで売れ筋(ボリュームゾーン)を外している
■ステップワゴン6代目は初代・2代目のオマージュ
2022年フルモデルチェンジしたホンダ ステップワゴン(6代目)は先代までの歴代を振り返り、初代・2代目の「シンプルな道具感」、「乗用車的なハコ」をオマージュ。シンプルなデザインを徹底し、最近のミニバンの派手さ(オラオラ)を求める傾向とは違ったチャレンジだ。
■ミニバンの顔の派手さをランキング
最近のミニバンは価格帯の上昇に伴って、顔(フロント フェイス)のデザインがドンドン派手になってきている。2022年のトヨタ ノアとヴォクシー(4代目)等のモデルチェンジでも先ず顔の派手さが話題になっていた。
その視点で新型ステップワゴンの位置付け(ポジショニング)を考えるため、ミドルクラス ミニバン等の顔の派手さをランキングしてみた。
顔の派手さはグリルの大きさ、ランプ形状の鋭さ、メッキの多さによって5段階にランキング。 1番派手なのはトヨタ ノアとヴォクシーだったが、はたしてステップワゴンは?
■新型ステップワゴンの2モデルは差別化が小さい
新型はシンプルな「エア」と より派手な「スパーダ」の2モデル展開。
エアはシンプル化を徹底していて、派手さランキングは最低のランク5で競合が少ないポジション。(ダイハツ タントと同ランク)
スパーダはメッキ等の光モノは増えているが、ランプ等の外形状はエアと共通なのでランク4で最近では地味め。(ホンダ N-BOXと同ランク)
エアで新しいポジションを狙うのは面白いチャレンジだが、スパーダの差別化が小さいのは気になる。
先代は標準車がランク4で地味め、鋭いランプのスパーダがランク3で平均的な派手さ。先代の販売シェアは標準車が1割、スパーダが9割だそうだ。
ミドルクラスのミニバンで それなりの金額を払うなら、装備の良さと見た目の立派さでスパーダを選ぶ人が多いのだろう。
新型の2モデルは先代より1ランク地味で、先代で9割を占めていた量販ポジションの売れ筋(ボリューム ゾーン)を外している。
日本ベストセラー級のホンダN-BOXからステップワゴンへのアップサイザーを考えてみた。N-BOXは標準車とカスタムの2モデル展開で、販売シェアは半々。標準車がランク4、カスタムがランク3で、先代ステップワゴンと同様。
新型ステップワゴンはN-BOXからのアップサイザーにとって価格帯が上がるのに対して顔が地味に見えるのでは。
■まとめ
新型ステップワゴンの2モデルの顔は先代やN-BOXより1ランク地味。ダイハツ タントが大きくなったようなイメージ。
先代の9割を占めたスパーダやN-BOXの半分をN-BOXカスタムの占める売れ筋(ボリュームゾーン)を外していて、それらからのユーザーには物足らなそう。
ホンダは新型の標準装備を地味にして派手なオプションを付けさせる販売戦略かもしれないが、ユーザーは先ず標準装備で考えるのではないだろうか。
どうせ2モデル展開するなら、例えばN-BOXのように顔を大きく作り分けて、先代並みか それ以上の派手な顔と新しいシンプルな顔の2種類へ大きく差別化した方が幅広いユーザーへ対応できたのでは。
■注記
※このブログのレビューは あくまで個人的意見
※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと
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