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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

トヨタ プリウス 2018 (D 50点)

プリウス

社長に「ワオ!」と言わせる新奇性より良識的なユーザーニーズを考えて欲しい

■まとめ (D 合計50点/100点満点)

  奇抜なデザインが不評と言われるトヨタ プリウスはマイナーチェンジ(4代目 後期)でフェイスリフトして少し無難な顔になったが、基本は変わらない。

  トヨタの社長に「ワオ!」と言わせる新奇性を追求したデザインはプリウスをメジャーにした良識あるユーザーニーズと かけ離れている。

  テーマの「遊び心」によるチャラいデザインは燃費と実用性の両方を真面目に追求してきた従来プリウスの賢さがなくなった。スペースや視界等の実用性に悪影響。空力最優先なら まだ理解できるかもしれないが、遊び心ではガッカリ。

  例えば、時価総額トヨタを超えたテスラは奇抜なデザインでブランドになったわけではない。中身が先進的であれば、デザインはそれを裏切らないものであれば良いのだ。

カーデザイン

 ■主な比較対象車

トヨタ プリウス (3代目 先代)

トヨタ プリウス (4代目 前期)

トヨタ プリウス PHV (姉妹車)

トヨタ カローラ ツーリング (同門車)

・テスラ 3 (参考車)

■キャラクター

・ポジション

  2019年度国内新車販売台数乗用車2位(軽自動車除く)を獲得したプリウスはマイナーチェンジでフェイスリフト。

・ユーザー、デザイン要求

  前期型は奇抜なデザインが不評なので、良識的なユーザーニーズに合わせて奇を てらわないデザインへの修正が求められる。

■コンセプト (10点/30点満点)

プリウス

・テーマ

  「アイコニック・ヒューマン テック」がキーワード。先進機能に「遊び心」を融合させた一目でプリウスとわかるユニークなデザインだそうだ。しかし燃費と実用性を真面目に追求しブランドとなったプリウスに遊び心は蛇足だ。それで必然性のないデザインになってしまった。 (-5点)

  それより問題なのはトヨタの社長から「カッコ悪い」と言われ続けて、「ワオ!」と言われることを追求し続けたこと。社長を驚かせる新奇性より良識的なユーザーニーズを考えて欲しい。(-10点)

<Ref.  今回の(4代目)プリウスについても、私はずっと言ってますよ、『カッコ悪い』って。 https://www.sankeibiz.jp/business/news/160924/bsa1609241710004-n1.htm>

<Ref.  生真面目すぎるっていう評価があるんですね。そこはぜひ4代目で刷新して「ワオ!」と言わせたいなと。「ワオ!」は社長から求められていますよね。 「ワオ!」がないと言われたらやり直しですから(笑)。 https://www.webcg.net/articles/-/33624>

・スタイル

   トヨタのデザインスタイル「キーンルック」、「アンダープライオリティ」は ゆるく適用。プリウスがブランド化したためか。

・パッケージング

  フェイスリフトで少し全長延びたが、基本的に変更なし。トヨタのプラットフォームTNGAを適用し、先代に比べてロング&ワイド&ロー。先代でもスペース不足の声があったのに全高を下げたのは疑問。またワゴンのカローラ ツーリングよりも長い全長はハッチバックとして取り回しに不利。実用性のバランスが後退。(-5点)

■全体デザイン (10点/20点満点)

カーデザイン

プロポーション

  従来プリウスのトライアングルシルエットを引き継いだ。先代はルーフのピークをBピラーより後ろにして空力と居住性を上手くバランス。新型は空力優先でルーフのピークをBピラーより前にして、ルーフライン後半の傾斜が強いため後席のヘッドクリアランスが苦しく見える。さらにグリーンハウス後方の絞りも強い。居住性のバランスは後退だ。(-5点)

・フォルム

  ベルトラインの傾斜が強いウェッジシェイプ。ウェッジシェイプは流線型に比べて空力のダウンフォース(下向きの揚力)を発生させる形状で、ドラッグ(抵抗)は 大きくなる。そのため新型は空力抵抗が大きく見えてしまう。

  プリウスはウェッジシェイプよりも流線型を強調した方が空力抵抗の低減による燃費の優秀さを表現できるのではないか。(-5点)

■フロント (15点/20点満点)

プリウス

・ランプ

  マイナーチェンジの目玉。前期型で不評が集中した、下端が垂れ下った「不自然な涙目」のランプは後期型で見直され、不自然さは なくなった。

  後期型はメインのランプの下端が平らになり、スモールランプは分離されて縦型に。プリウスPHV(2代目)の4連LEDライトのような先進性はないが、そこは差別化か。

・グリル

  あまり変わらない。先代のようなスマイル形状。

・バンパー

  後期型は縦型スモールランプの所で段差。エアインテークなら必然性を感じるが、単なる段差では余計な遊びに見えて微妙。

・ボンネット

  ボンネット上はキーンルックに沿ったキャラクターラインが斜めに縦断。フロントウィンドウの前にもキャラクターライン。そのうえ面の凹凸。 煩雑に見える。(-5点)

  前下がりが強いのでボンネットが見えにくく、前方見切りは今一つ。この車に限らないが。

■サイド (10点/20点満点)

プリウス

フェンダー、ドア

  キャラクターラインが同じような所に2重に引かれていて煩雑だ。Aピラーに1本と根本にもう1本、リアドアから後ろへ2本、ドアの下側に2本。(-5点)

・ウィンドウ周り

  ベルトラインの傾斜が強く、Cピラーが太いので斜め後方視界が悪い。またCピラーの下側だけブラックなのも中途半端感がある。(-5点)

■リア (5点/10点満点)

プリウス

・ランプ

    マイナーチェンジで大きく変更。違和感を持つ人が多かった前期型の縦に垂れていた形状を見直し、後期型は下側を横に折り曲げた。下側だけを横に曲げたので やはり不自然な形状だ。(-5点)

  奇抜な形状にチャレンジするならば、マイナーチェンジで形状を変えやすいようなパーツ分割が必要かもしれない。

・バンパー

  ランプが縦から横に変わってもバンパーは ほとんど同じ形状。ランプが垂れていた所は縦溝のレリーフになった。オーバーハングを軽減する意図だろうが、トヨタ カローラ ツーリングと同様に「出っ尻」を目立たせている。カローラ ツーリングほど出ていないのでマシだが。

・ウィンドウ周り

  リアスポイラー風のピラーが横断していて、窓が狭くなり、後方視界が微妙。

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

https://toyota.jp/prius/gallery/?padid=from_prius_top_navi-menu_gallery

https://nagoya.toyopet-dealer.jp/lineup/prius/design

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  • 発売日: 2017/11/28
  • メディア: ムック