空力性能の良いカーデザインの実例がグラフィカルに分かる
■まとめ
『自動車 空力デザイン』は空力デザインの設計方法や空力性能の良いカーデザインの実例が多数のカラー写真によって分かりやすく解説されている。
自動車メーカーの研究結果のグラフも載っていて、形状による空力性能への影響が定量的に分かるのは興味深かった。今まで何となく分かったつもりでいた空力デザインが理解できてきた気がする。
■どんな本か
・著者
著者の東大輔氏は久留米工業大学大学院 教授。
空気抵抗の小さい車は燃費改善につながり、地球温暖化に寄与する そうだ。
・概要
自動車の空力の基礎、風洞や数値流体解析(CFD)等の空力デザイン開発プロセス、優れたカーデザインの実例等を写真を使って解説。
CD-ROMが付属しており、CradleViewerというアプリを使って、いくつかの数値流体解析結果の例を様々な角度から見ることが出来る。
英語のタイトルは「Car Aerodynamic Design with CradleViewer」。
■特に面白かったのは
・ボディ側面(バンパー側面)
ボディ側面(バンパー側面)の角度の影響が前縁と後縁で逆なのは面白かった。フロント側は平坦に近いと空気抵抗が小さく、リア側は絞り込んだ方が空気抵抗が小さい。なるほど最近はフロント コーナー側面が平坦なデザインの車が多い訳だ。
・ハッチバックのリアウィンドウ
リアウィンドウの角度による空気抵抗への影響は想像以上に大きかった。かつてファーストバックで1番美しいと言われた角度が空気抵抗が1番悪い というのは何とも残念。
(ホンダ ヴェゼル (2代目)のように 見た目優先で あえて空気抵抗に悪い角度にしているクルマもあるが)
<PR>