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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

トヨタ bZ4X 2022 デザインクリニック提案

カーデザイン

レビュー全車中で最低点のD評価だったbZ4Xのリファイン案を提案

■まとめ

  トヨタ bZ4Xは これまでレビューした全車中で最低点のD評価だった。それはトヨタのバッテリ電気自動車(BEV)専用bZシリーズのトップバッターとして期待と責任の大きさのため。しかしトップバッターが最低点ではトヨタの将来が心配になる。

  だから「対案なき者 批判すべからず」の精神でリファイン案を提案する。もちろん単なる欠点対策(ネガ消し)だけではなく、新たな特長(ウリ)の表現も提案。

   リファイン案のテーマは「本願成就」。本来やりたかった大胆なアイデアを実現。

  リファイン案の主なポイントは以下の通り。

①プロポーション

  bZ4Xは全席の居住性を目標としていながら、室内高が低く、キャビンや窓が小さかった。

⇒全高を増やし、ミディアムSUVらしい居住性と車格の見栄えのあるプロポーションへ拡大。

フォルム

  bZ4Xのフォルムは段差や凸凹が多く、無塗装フェンダーと相まって安っぽく見えた。

⇒ bZ4Xの「御本尊」の良さを活かして、先進性を表現するメリハリあるフォルムを提案。

  「御本尊」とはbZ4Xのデザインで参考にされたスケールモデルのこと。滑らかな上半身とシャープに張り出したブリスターフェンダーの対比が見事だった。

  しかしbZ4Xの実車ではフォルム全体が煩雑にガタガタし、そのせいでブリスターフェンダーも曖昧になり、スケールモデルの良さが失われてしまった。

カーデザイン

③フロントフェイス

  bZ4Xのフロントフェイスは新たに考案した「ハンマーヘッド」(シュモクザメ?)をモチーフにしたが、ユーザーには意味が分からず、ボンネットが無用に凸凹してしまった。

トヨタのデザインスタイルである「キーンルック」と「アンダープライオリティ」を踏襲。

  さらにトヨタ ブランドの特長(ウリ)である「高信頼性」を表現するEV用フロントパネルを提案。

上 オリジナル、下 リファイン案

■レビューで減点された主な要因は?

カーデザイン

・テーマ、アイデア

  先進性をスリーク(滑らか、伸びやか)で表現するアイデアだが、フォルム等への適用が徹底されず、車全体のカタチがゴチャゴチャしてしまった。

・モチーフ、スタイル

カーデザイン

  ノーズは「ハンマーヘッド」がモチーフ。シュモクザメのことだろうが、ユーザーには意味不明で、ボンネットが無用に凸凹してしまった。

  ハンマーヘッドを除けば、フロントフェイスは ありきたりな表現で、トヨタやbZシリーズのブランドを表現できていない。

・パッケージング

  全高はクーペ風SUVトヨタ ハリアーより低く、さらに床下にバッテリーを載せているので室内高が低く、目標としたはずの居住性が悪い。

プロポーション

  全高が低いだけでなく、ミディアムSUVとしてはキャビンやグラスエリアが小さく、居住スペースや解放感で不利。車格も見栄えがしない。

・フォルム

   あちこちに凹面やキャラクターラインや段差が入り組んでいて煩雑(ビジー)。

カラーリング

  無塗装で段差のある樹脂フェンダーが車全体の印象を安っぽくしている。

・グリル

  グリルの下側を前へ突き出し、しかも無塗装樹脂とメッキで突き出しを強調しているので、下顎がシャクレたように見えてしまう。

フェンダー

  フロントフェンダーはランプやバンパーとの間に段差が あり安っぽい。

  ホイールアーチ周りのプロテクター(クラッディング)は上側が分厚く、下側に すき間が空いていて、不自然かつ非実用的なカタチ。

・ランプ

  リアランプは斜め下へ垂れ下がり、リアフェンダーへ食い込んでいる不自然なカタチ。

カーデザイン


■リファイン案の提案

カーデザイン

・テーマ、アイデア

  bZ4Xのデザインで参考にされたスケールモデルの見所を 集約して、メリハリあるフォルムで先進性を表現するテーマ「スリーク&シャープ ラギッド」を提案。(スリークとラギッドの相反両立)

①上半身はbZ4Xの元々のアイデア「スリーク」の通り、段差等のない滑らかなフォルムで先進性を表現。

②下半身はSUVらしい力強さを角ばった(ラギッドな)幾何学形状で大胆に張り出したフェンダーフレアで表現し、さらにエッジをシャープにして先進性もプラスしたフォルム。滑らかな上半身との対比でメリハリが効く。

  「ラギッド」と言うと、金属加工のイメージで、角張った原形の角を大きめの曲率半径(角R)で面取して「強度」を表現するのが一般的。

  「シャープ ラギッド」は大きめの角Rの代わりにシャープエッジにして「硬度」を表現し、より高度な技術であることをアピール。

・モチーフ、スタイル

  ノーズの「ハンマーヘッド」は無くして、代わりにトヨタのデザインスタイルである「キーンルック」と「アンダープライオリティ」をフロントフェイスへ適用。

  ただしエンジン車の大きなラジエーターグリルをEV用のフロントパネルへ置き換え。フロントパネルの上側はレーダ用のレドーム、下側はヒートポンプ用の小さなラジエータグリル。その間をスリットのグラデーションで つなぐアイデア

  フロントパネルの形状は以下のキーワードでトヨタ ブランドの特長(ウリ)である「高信頼性」を表現。

①骨太→耐久性を表現

  強度や剛性の高そうな太めのライン等

②几帳面→高精度を表現

  シャープなエッジ、狭くて均一な隙間等

③整然→厳格な品質管理を表現

  キチンと配置された幾何学形状等

  なお これらのキーワードはニュアンスを理解しやすく、イメージが広がりやすい日本語で考えた。トヨタでは世界に通用するようキーワードを英語にするルールかも しれないが。

・パッケージング

  目標とした全席の居住性を満足させるためハリアー並みの室内高となるよう全高をアップ。車格もアップ。

プロポーション

  全高アップに加えてルーフを後ろへ延長して居住スペースをアップ。車格の見栄えもする。

  窓を拡大して全席の解放感をアップ。

・フォルム

  上半身は凹面やキャラクターラインを減らして滑らかに。

  下半身はシャープエッジの幾何学形状でメリハリを。

カラーリング

  樹脂フェンダーを無くして上質感。

・グリル

  EV用のフロントパネルへ置き換え。

フェンダー

  無塗装をなくし、シャープエッジの幾何学形状で大胆に張り出したブリスターフェンダーで新鮮感。

・ランプ

  リアランプはフォルムに馴染んで自然なカタチ。フロントランプの形状とも整合。

カーデザイン

上 オリジナル、下 リファイン案

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

https://toyota.jp/bz4x/

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