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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

ダイハツ タフト 2020 (C 65点)

カーデザイン

なんちゃってクロスカントリー車やデザイナーの遊び心を認められるか否か

 

■まとめ (C 合計65点/100点満点)

  ダイハツ タフト(2代目)は廃番になったSUVダイハツ キャスト アクティバのリベンジか。丸いデザインのアクティバで 若年男性のニーズに応えられなかったため、タフトはタフな道具として直線的で四角い表現にこだわった。四角い箱を組み合わせたようなフォルムは骨太で力強い。

  プロポーションはまるでクロスカントリー車。大きなアプローチアングルとデパーチャアングルで寸法は本格的。しかしオフロード走行機能はダイハツ タントと同様。プロテクター等も付いているが、あまり機能的ではない。

  イメージと実態のギャップ(なんちゃってクロスカントリー車)をファッションとして認めるか、見掛け倒しとしてガッカリするか難しいところ。

  欧州のパネルバンをヒントにしたアイデアは前席が人、後席が荷物に分かれている「バックパック スタイル」。それでサイドボディやサイドウィンドウをパネルバンやピックアップ トラックのような表現にしたらしい。

  しかしデザイナーの遊び心を理解するのは難しい。バックパックの表現で後席の窓が小さくなってワクワクするのは それを考えたデザイナーだけかも しれない。例えば、SUVなら後席や荷室のスペースを しっかり表現して、レジャーに家族や仲間と出かけられるイメージの方が楽しそうだ。

  ワクワクする仕掛けとして効果的なのは全グレード標準のグラストップ。サイズも位置も機能的で解放感バツグンだ。やはり機能を伴ったデザインは素晴らしい。

カーデザイン

■主な比較対象車

ダイハツ キャスト アクティバ (先代?)

ダイハツ タント (同門車)

ダイハツ ネイキッド (同門車)

スズキ ハスラー (競合車)

・スズキ ジムニー (参考車)

スズキ スペーシア ギア (参考車)

■キャラクター

・ポジション

  2020年 新発売のSUVダイハツ タフト(2代目)は先代と全く別の新規モデル。むしろダイハツ キャスト アクティバの後継という方が近い。

  タフト(TAFT)の名称は「Tough & Almighty Fun Tool」の頭文字だそうだ。「タフ」と名前に入っているが、ダイハツはオフロード走行を推奨していない。走行機能は基本的にダイハツ タントと同じ。競合車のスズキ ハスラーがオフロード走行性能の高さをウリにしているのとは対称的だ。

・用途

  「ワクワク」がキーワード。ワクワクは人によって違うので、狙いが絞りにくい。日常シーンで気分が上がる仕掛けを色々と考えたそうだ。

  例えば、東京モーターショー2019で発表したコンセプトカー「WakuWaku」はポップアップルーフになっていて、キャンプでの楽しさを想像させられた。

・ユーザー

  若年層の男性が主なターゲット。アクティバは そのニーズに応えられていなかったと考え直した。調査結果によると若年男性は機能性を重視したハードなものを普段の生活の中に取り入れているらしい。

・デザイン要求

  SUVらしいオフロード走行性能を求めず、積載スペースも日常使い用に ほどほど。その上で、若年男性がワクワクするような機能的なデザインが求められる。かなり難しい要求。

  例えば、スズキ スペーシア ギアはオフロード走行性能は普通のスペーシアと同じ「なんちゃってSUV」だが、積載性に優れているのでキャンピング用として実用的。SUVっぽい外装もオートキャンプ場までの砂利道の走行に役立ちそうに見える。

■コンセプト (15点/30点満点)

カーデザイン

・テーマ

  車名を表す「Tough & Almlghty Fun Tool」がキーワード。タフで使い倒すような道具的なイメージだそうだ。普通ならSUVにピッタリのテーマだが、オフロード走行機能がタント並みだとすると、イメージと実態の不一致が気になる。実態に合った道具らしさを もっと具体的に考えた方が良いのでは。(-5点)

・アイデア

  欧州のパネルバンをヒントにしたアイデアは前席が人、後席が荷物に分かれている「バックパック スタイル」。人が1人か2人しか乗らずに荷物を積んで出かける という用途を明確に表現できる という意図だが、社内で誰も止めなかったらしい。そこは止めても良かったのでは。パネルバンピックアップトラックじゃないんだから。(-10点)

  SUVならば、普段は1人か2人しか乗っていなくても、レジャーには家族や仲間と出かけられるイメージの方が夢が広がる。例えば、スズキ ハスラー(2代目)は6ライトによって前席も後席も荷物もスペースが あることを見事に表現している。

・モチーフ

  道具的な車としてダイハツ ネイキッドも参考にしたようだ。タフな使われ方をしても大丈夫そうな道具の表現として、直線的で四角い表現にこだわった。

■全体デザイン (20点/20点満点)

カーデザイン

プロポーション

  水平で長いルーフによって全高のわりにスペースを稼いでいる。それでも全高がハスラーより低いので、スペース的には不利。走行性能がウリでもないので、もう少し全高を上げてスペースを大きくした方が良かったのでは。(-5点)

  ボンネットが水平で高い位置なのは特徴的。ボンネットとベルトラインが一直線になって、長くて厚いボディを表現している。車格を立派に見せ、力強さを表現している。また水平なボンネットは前方視界の見切りにも有利。オフロード走行なら低いベルトラインの方が視界が広くて走りやすいが、走行機能よりは強そうな見た目を優先か。

  アプローチアングルとデパーチャアングルは大きく、寸法的にはオフロード走行に向いている。アプローチアングルはハスラー並み、デパーチャアングルはスズキ ジムニー以上。そこまで必要な状況は あまり ないだろうが。(+5点)

カーデザイン

・フォルム 

  基本的に四角い箱の組合せで骨太なイメージ。四角い箱も面取りも効いていて、ボンネット先端は意外と曲率があり、単なる箱には なっていない。

■フロント (15点/20点満点)

カーデザイン

・ランプ

  フロントランプの外形状は四角から面取りしてサイドボディやボンネットのキャラクターラインに合わせている。ランプの中はスリットのようなグラフィックで立体感。

・グリル

  グリル形状は極めてシンプル。アッパーグリルは四角い穴、ロアグリルは台形の穴。

・バンパー

  グリルの部分は四角く前へ張り出していて力強い。ボディ同色なのでオフロードのイメージは強くないが、ハスラー等との差別化には つながっている。

  その下はチンスポイラーにアンダーガードが付いたような形状。タイヤを見せたいという意図で、チンスポイラーとフェンダーとの間にすき間が空いている。しかしチンスポイラーが横に はみ出して わざと走破性を落としているように見えるし、 フェンダーが寸足らずに見えてオモチャっぽい。(-5点)

・ボンネット

  ボンネットの先端は下側を折り返して、前に突き出したような立体的な表現で力強い。しかしパンパーとの間に すき間が あるので、チリが合っていないように見えて微妙。

■サイド (10点/20点満点)

カーデザイン

・ルーフ

  日常で気分が上がる仕掛けとして、ダイハツが「スカイフィールトップ」と呼ぶグラストップは全グレード標準。作り分けしないためコスト低減に効果的らしい。サイズも大きく、ルーフの前方側に あるので、解放感はバツグン。(+10点)

  グラストップの後ろにルーフレール。レールの長さが短いので、長いルーフボックス等を取り付けるのが心配。(-5点)

フェンダー、ドア

  オーバーフェンダーのような形状の樹脂プロテクターはタフの表現に合っている。フェンダーアーチとタイヤとの すき間は大きいが、クロスカントリー車っぽさのため あまり気にならない。

  なぜかプロテクターのサイズがチグハグ。フロントは後ろ側が なくなっている。泥が当たりそうな位置なのに。 逆にリアは前側がドアまで広がっていて大きい。ドアに かかっているのはドアを蹴っ飛ばして閉められるように というラフな表現らしい。リアを大きくするより先にフロントを しっかりカバーすべきでは。(-5点)

  フロントランプから始まるストレートのキャラクターラインはサイドウィンドウの後ろで巻き上がっている。キャビンのスペースを強調し、リアクウォーターパネルを平らにしてパネルバンのように見せる意図らしいが、ワイド感や力強さを損なっている。パネルバンよりもテーマのタフさの表現の方が重要だ。またリアからのプロテクターの上のキャラクターラインはリアドアの真ん中で必然性なく消えている。(-5点)

・ウィンドウ周り

  サイドウィンドウは前席が台形、後席が逆台形の組合せ。バックパックの表現のため後席の窓の高さを前席より低くしているが、高さを合わせ そこなっているように見えてしまう。また逆台形はピックアップトラックのような表現のつもりらしいが、単に上が大きい不安定な形状に見えてしまう。黒いガーニッシュを付けて逆台形に見せているのも無理やり感。(-5点)

・ホイール

  デザイン、機能、コストのバランスで65プロファイルのタイヤを採用したらしい。

■リア (5点/10点満点)

カーデザイン

・ランプ

  リアランプはフロントランプを縦にしたような形状。スリットの表現も同様で統一感がある。

・バンパー

  フロントフロントと同様に四角く張り出した形状で統一感。チンスポイラーが ないのでフロントのような すき間の空いた違和感はないが、下までボディ同色なのはサイドボディのプロテクター等と不統一。アンダーガードの幅が狭くて薄いのでオモチャっぽい。周りがボディ同色なので目立つ。(-5点)

 

・ハッチ

  四角い開口部は使いやすそうだ。

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/03_exterior.htm

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/04_interior.htm

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/05_driving.htm

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