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超 カーデザイン レビュー

「日本車はカッコ悪い」なんて言わせたくない

トヨタ ルーミー 2016 (C 60点)

カーデザイン

悪くないデザインだが、姉妹車は多いし、競合車にソックリで、間違い探し状態

■まとめ (C 合計60点/100点満点)

  トヨタ ルーミーは姉妹車全部で4モデル、8グレードの同時開発。ほとんど顔の違いだけなのでユーザーが選ぶのも大変だ。そのうえルーミーと競合車のスズキ ソリオはサイズが ほとんど同じで、見た目も遠目にソックリ。まるで間違い探し状態だ。

  ルーミーは小型ミニバンとして悪くないデザインだが、後出しで競合車と似ていると、パクリと言われてイメージが悪くなる。競合車を意識しないように開発したのが逆効果だったか。

  差別化する選択肢は たくさんある。トヨタ シエンタほどユニークでないにしろ、頑張って差別化して欲しい。姉妹車のトヨタ タンクはイカツイ顔で差別化。例えば、ダイハツ タントのような大人しいデザインにするとか、サイズを変えるとか。そもそも姉妹車が多過ぎてジックリ考えられないのかも。もっとモデルを減らして労力を集中させられないものか。

カーデザイン

左 ルーミー、右 ソリオ

■主な比較対象車

トヨタ タンク (姉妹車)

トヨタ bB (同門車)

トヨタ ノア (同門車)

トヨタ シエンタ (同門車)

ダイハツ タント (参考車)

・スズキ ソリオ (競合車)

ルノー カングー (参考車)

■キャラクター

・ポジション

   2019年度国内新車販売台数乗用車5位(軽自動車除く)を獲得した小型ミニバン、トヨタ ルーミーは姉妹車を含めれば1位かもしれない。姉妹車はトヨタ タンク、ダイハツ トール、スバル ジャスティで、ルーミー含めて合計4モデル。さらに各モデルにカスタムと標準の2グレードがあり合計8種類の同時開発。

  開発はダイハツが実施。ルーミーはトール カスタムがベース、タンクはトールがベース。

・ユーザー

  ユーザーは堅実なファミリー層を想定。特に子供の成長に伴って軽スーパーハイトワゴンからのアップサイザーを期待している。

・デザイン要求

  つまり軽スーパーハイトワゴンを含めて似たような車が多い中で、ファミリー層の多くに受け入れられるデザインが求められる。

■コンセプト (10点/30点満点)

カーデザイン

・テーマ

  姉妹車共通のキーワードは「威風堂々」。ルーミーのベースであるトールカスタムのキーワードは「品格・艶やかさ」。ちなみにタンクのベースであるトールのキーワードは「躍動感」。

  これらは大型ミニバンに合いそうなテーマで、軽スーパーハイトワゴンのアップサイザーから見ると偏っている。タント等は大人しいデザインの標準車(女性と子供ウケ?)と押しの強いカスタム系(男性ウケ?)の2種類のモデルを展開している。堅実なファミリー層が想定ユーザーならば、先ず大人しいテーマを考えるべきでは。(-5点)

・アイデア

  姉妹車同志の差別化は考えられている。4モデルのフロントフェイスの違いをバランスよく出す、トールとトール カスタムは視覚的重心を上下逆にする だそうだ。

  しかし競合車との差別化が考えられていない。ソリオを意識しないで開発したらしいが、結果的にソリオと似てしまった。パクリと言われないよう競合車を ちゃんと意識して差別化すべきだった。(-10点)

・スタイル

  トヨタらしさは特に考えられていない。ルーミーとトール カスタムは ほとんど同じ。コスト低減か。

・パッケージング

  ダイハツとしては新ジャンル。全長、全幅はダイハツ ブーン等のコンパクトカー並み。全高はダイハツ タント等の軽スーパーハイトワゴン並み。

  このサイズは競合車スズキ ソリオ (3代目)に近い。また横から見るとタント等との差が分かりにくい。プラットフォームの制約はあるだろうが、もう少し全長を伸ばすとか もっと差別化した方が良かったのでは。(-5点)

  例えば、トヨタトヨタ bBやトヨタ ラクティスの後継という考えもあったらしいので、せめてbB並みの全長に伸ばすとか。

■全体デザイン (20点/20点満点)

カーデザイン

・プロポーション、フォルム

  タントを少し伸ばしたようなシルエット。タントよりもフロントウィンドウが少し寝ていて、フロントフェイスの彫りが深い。

  しかしソリオも似たようなシルエットで遠目に区別が つきにくい。見比べるとノーズの高さとベルトラインの傾斜の違いで分かるが。

■フロント (10点/20点満点)

カーデザイン

・ランプ

  逆台形グリルに合ったシンプルな横長ランプ。角の面取りもフェンダーフレアが押し寄せた表現で違和感はない。ただしパッと見ソリオに似ているのが残念。(-5点)

・グリル

  大きく押し出しの強い逆台形アッパーグリルと控えめな横長ロアグリル。この構成もソリオに似ている。ルーミーの方が少し大きいが、遠目には区別つきにくい。例えば、トヨタ ノアのようにアッパーグリルとロワグリルを一体化させれば、ソリオと差別化できたのでは。(-5点)

・バンパー

  フェンダーフレアからの流れを豊かな抑揚で表現。ここはソリオに あまり似ていない。

■サイド (15点/20点満点)

カーデザイン

・ルーフ、ウィンドウ周り

  全てのピラーをブラックアウトしてフローティングルーフに。この構成はソリオと同じ。ベルトラインの形状が少し違うが、遠目には区別つきにくい。例えば、タントのようにDピラーをボディ同色にしても良かったのでは。(-5点)

フェンダー、ドア

  サイズボディの前から後ろまでキャラクターラインを通してワイド感。これはソリオよりも明快なライン。

  フェンダーフレアはフロントとリアで膨らませ方が違うが、スライドドアなので仕方ないか。

■リア (5点/10点満点)

カーデザイン

・ランプ

  長いハイマウント ストップランプや縦長のコンビランプが目を引く。ソリオとも あまり似ていない。

・ハッチ、バンパー

  フェンダーフレアの流れの凹面は そこだけ唐突に凹んでいて、ちょっと やり過ぎ感。凸凹しない空白が怖い「空白恐怖症」なのだろうか。

例えば、ルノー カングー等は、フォルム全体で表現していて、局所的に凸凹させてない。またバンパーの角が尖っているのはフロントのデザインと不統一。(-5点)

■注記

※このブログのレビューは あくまで個人的意見の相対評価

※このブログで「デザイン」は外装スタイリング(外観)のこと

※画像の出典

 https://toyota.jp/roomy/gallery

 https://www.c-nagoya.co.jp/lineup/roomy

https://www.suzuki.co.jp/car/solio/styling/

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